藤本タツキ先生読切『ルックバック』の感想
19日にジャンプ+で突然発表された『チェンソーマン』の藤本タツキ先生による読切『ルックバック』。
みなさんはもう読みましたか?
140ページを超えるマンガでしたが、ダレることなく楽しんで(?)最後まで読めました。
読み終わった後は良質な映画を1本見たような気持ちになりましたね。
感想にはネタバレが含まれるので未読の方は読んでからこの記事をご覧ください。
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・セリフやナレーションなしで感情や場面を表現するのがとても上手で、それこそ映画のようでした。
マンガなのでもちろんBGMもないのですが、読んでいるとその場面にふさわしいBGMが流れているような錯覚すら覚えます(特に藤野が京本に褒められた後のあぜ道のシーン)。
・マンガを書くことの大変さも表現されていますが、それを含めマンガの素晴らしさを伝えるマンガでもあると感じました。
・公開されたのが京アニ事件の日の翌日ということもあり(それを連想させる登場人物あり)、被害に合った方やそのご家族の方に対する追悼の意や応援メッセージも含まれていると思います。
・『ルックバック』というタイトルもいくつもの意味が込められていますね。
「背景」、4コマ「背中を見て」、「私の背中見て成長するんだなー」というセリフ、過去を思い出すシーン、過去をやり直す(?)シーン。
私は気付きませんでしたがoasisの曲にもかかっているそうです。
・最後の京本の家のシーンは夢や妄想なのか、それともパラレルワールドなのか、読者なりにそれぞれの受け取り方ができる場面だと思います。
私は藤野がうたた寝をしてしまって少し夢を見ていたと捉えています(それだと「背中を見て」の4コマができた説明ができませんが)。
サインの入ったドテラもあるしねえ。
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『ファイアパンチ』『チェンソーマン』のときから感じていましたが、藤本タツキ先生はまさに奇才ですね。
あと、映画が好きでマンガも好きなんだなあというのがとても伝わってきました。
元アシスタントの龍幸伸先生もジャンプ+で『ダンダダン』を連載中で爆発的ヒットしてるし、師匠のいいところを受け継いでいると思います。
『チェンソーマン』の第2部、そしてアニメも楽しみにしています。
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